今年11月、77匹の大量の死骸がみつかった事件、について。
日本では、犬を繁殖させて子犬をペットショップなどに販売する業者がいます。
繁殖で生業を立てている訳ですから、利益を重視しています。
一方で、犬を飼いたい人は犬種の見た目や流行に左右され、性格や手入れなど調べずに飼い始めがちです。
そして、飼い始めるのであれば、かわいい子犬からと、ほとんどの人がペットショップで子犬を探します。
繁殖業者は人気犬種を繁殖させれば利益が上がります。
人気が去ると、犬が手元に残り、今回のような大量死となる。
古くは、シベリアンハスキー、ゴールデンレトリバー、チワワ、
悲しい繰り返しです。
この悲しい繰り返しをさせないために、イギリスやアメリカが行っていることをご紹介します。
イギリス、アメリカでは、ペットショップで子犬は販売されていません。
ペットショップにいる生体は、魚類、モルモットやハムスター、昆虫類です。
犬や猫をペットショップで見られるのは、週末に行われるシェルターで保護された犬の見学会です。
週末になると、地域の動物保護施設(シェルター)に引取られている犬、猫を見ることが出来、
その子たちのこれまでのいきさつ、年齢、性格、病歴など聞くことが出来ます。
気に入れば、シェルターへの寄付として、数十ドル~数百ドルを支払うというシステムになっています。
シェルダーでは、ドッグトレーナーもメンバーになっている場合が多く、しつけも行っていて、新しいお家のための準備を行っています。
ペットショップで販売しない訳はいくつかあります。
①古くは狩猟犬として犬と共に暮らしてきた長い歴史の中で、
犬が人間と感情を分かち合える特別な動物であるという認識が浸透しているからです。
悲しい時には、そっとそばにいて、涙をなめてくれる。
うれしいときも一緒に感情を分かち合える。
「犬のひと舐めはどんな優秀な精神科医よりも勝る」という言葉もあるくらい、人間の精神を癒してくれます。
②ペットショップでの販売は、イコール、子犬が早い時期に親犬と離され、環境が変わるということ。
輸送やペットショップでの展示などで弱って、死んでしまう子犬が多くなります。
ペットショップの過酷な環境の中でも生きぬいてきた子犬は、性格的に強く、ペットとしては飼いにくい、強気の犬になるの割合が増えるという現実があります。
③成犬(大人の犬)を受け入れるという考えが、人々の中にある。
イギリス、アメリカでは、国民の意識、宗教感覚として、シェルターで保護された成犬を受け入れるという考え方が浸透しています。
これは、日本人にはない、宗教感、意識の違いもありますが、学ばなくてはならない点です。
人間の子どもの場合でも、夫婦に子どもが生まれない場合など、養子を迎え入れるという考え方を柔軟に愛情をもって出来る人が多いのです。
動物愛護法も改正されていますが、法律的には、犬はモノの扱いになります。
犬の大量薬物殺害、死体遺棄事件にも関わらず、法的には「廃棄物処理法違反」です。
犬を取り巻く、環境の改善に、私たちに出来ることは何かを考えてみましょう。
先ず、犬を子犬から飼いたい人は、一犬種を繁殖している優良ブリーダーから購入しましょう。
生まれてくる子犬を予約して、生まれてくるまで待ってください。
ペットショップで出会いで購入しないでください。
成犬はしつけが出来ている犬を選びましょう。
特にトイレのしつけが出来ているワンちゃんは扱いやすく、学習の習慣がついている子であれば、新しい家族の一員にすぐになれます。

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